サウナで顔が赤くなる経験はありませんか? あの独特の赤みは、まるで火傷のようにも見えますが、実は体の反応が可視化されたものかもしれません。
時には不安を感じることもありますが、正しく理解することで、サウナをより安全に、そして効果的に楽しむことができます。
今回は、サウナで顔が赤くなる原因や注意点、そして安全な楽しみ方について、科学的な視点も交えながらご紹介します。
サウナをより深く知って、快適なサウナライフを送りましょう。
サウナで顔が赤くなる原因

*血行促進による発赤
サウナの高温によって、血管が拡張し、血流が促進されます。
皮膚の表面近くにある毛細血管への血流量が増加することで、顔が赤く見えるようになります。
これは、体の熱を効率的に放散し、体温を調節しようとする自然な反応です。
この発赤は、サウナに入った直後から徐々に現れ始め、サウナから出た後も数十分間続くことがあります。
赤みの強さは、サウナの温度や滞在時間、個人の体質によって異なります。
*自律神経の反応
サウナでの発汗や血行促進は、自律神経系の活動に大きく影響を与えます。
特に交感神経の活動が高まり、血管の拡張や収縮を制御する働きが活発になります。
この自律神経の反応によって、血管が拡張し、顔が赤くなる現象が起こります。
また、この赤くなった顔や体を適切な温度の水風呂で急速に冷やすことで、開いた血管が収縮します。
このサウナ(温)と水風呂(冷)の急激な温度変化の繰り返しが自律神経を刺激し、バランスを整える効果(いわゆる「ととのう」)を生み出すのです。
*皮膚の血管拡張
サウナの熱によって、皮膚の血管が拡張することも、顔が赤くなる原因の一つです。
皮膚の血管は、体温調節に重要な役割を果たしており、高温環境では熱を放散するために拡張します。
この血管拡張によって、皮膚への血流量が増加し、顔が赤く見えます。
この現象は、特に顔面部など、血管が比較的多く分布している部位で顕著に現れます。
拡張した血管は、サウナから出てしばらくすると収縮し、赤みは徐々に引いていきます。
*質の高い水風呂でクールダウン
サウナで拡張した血管を適切に収縮させ、自律神経を整えるためには、クールダウンが非常に重要です。特に水風呂は、サウナ体験の質を左右する重要な要素と言えるでしょう。
しかし、近年、特に都市部の夏場においては、水道水の水温が28℃を超えることも珍しくありません。これでは、体を効果的に冷やす「冷水浴」とは言えず、サウナの効果を十分に得ることが難しくなります。
快適で質の高いサウナ体験を一年中楽しむためには、水温を常に15℃前後の適切な温度に保つことができる家庭用チラー(冷却機)の導入が必須と言えるでしょう。
安定した水温は、安全性を確保する上でも重要な役割を果たします。
顔が赤くなる際の注意点

*健康状態の確認
サウナに入る前に、自身の健康状態を確認することは非常に重要です。
高血圧や心臓疾患、妊娠中の方などは、サウナ利用に際して医師に相談することをお勧めします。
また、体調が優れない時や、飲酒後などは、サウナ利用を控えるべきです。
無理なサウナ利用は、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
自分の体の状態を理解し、無理のない範囲でサウナを楽しむことが大切です。
*脱水症状への対策
サウナでは大量の汗をかきます。
脱水症状を防ぐために、十分な水分補給を心がけましょう。
サウナに入る前、サウナ中、そしてサウナ後にも、こまめに水分を摂取することが重要です。
水だけでなく、電解質を含むスポーツドリンクなども有効です。
脱水症状は、めまい、吐き気、倦怠感などの症状を引き起こす可能性があります。
これらの症状が現れた場合は、すぐにサウナを中止し、休息を取りましょう。
*皮膚疾患との鑑別
サウナで顔が赤くなるのは、多くの場合、血行促進や自律神経の反応によるもので、健康上の問題はありません。
しかし、脂漏性皮膚炎などの皮膚疾患も、顔の赤みを伴うため、鑑別が必要です。
これらの皮膚疾患は、持続的な赤み、炎症、痛みなどを伴うことがあります。
もし、赤みが長引いたり、痛みやかゆみなどの症状を伴う場合は、皮膚科医に相談することをお勧めします。
早めの受診が、適切な治療につながります。
サウナの安全な楽しみ方
*適切な入浴時間
サウナの利用時間は、自身の体調に合わせて調整することが大切です。
初めてサウナを利用する方や、高温に慣れていない方は、短時間から始めることをお勧めします。
徐々に時間を延ばしていくことで、体に負担をかけずにサウナを楽しむことができます。
目安としては、1回あたり5~10分程度が良いでしょう。
長時間サウナに入ると、脱水症状や熱中症のリスクが高まるため注意が必要です。
*水分補給の重要性
サウナでは、大量の汗とともに水分や電解質が失われます。
脱水症状を防ぐためには、こまめな水分補給が不可欠です。
サウナに入る前、サウナ中、そしてサウナ後にも、水分を十分に摂るようにしましょう。
水だけでなく、電解質を含むスポーツドリンクなども有効です。
自身の汗の量やサウナの滞在時間に合わせて、適切な水分補給を心がけましょう。
*自身の体の声に耳を澄ます
サウナを楽しむ上で最も重要なのは、自身の体の声に耳を澄ますことです。
めまい、吐き気、息苦しさなどの症状が現れた場合は、すぐにサウナを中止し、休息を取りましょう。
無理は禁物です。
サウナは健康増進に役立つ一方で、適切な方法で利用しなければ、健康を害する可能性もあります。
自分の体の状態を常に確認しながら、安全にサウナを楽しみましょう。
無理せず、自分のペースでサウナを楽しむことが大切です。

まとめ
サウナで顔が赤くなるのは、血行促進や自律神経の反応、皮膚の血管拡張が主な原因です。
多くの場合は健康に問題ありませんが、持続的な赤み、痛み、かゆみなどがある場合は皮膚疾患の可能性も考えられます。
安全にサウナを楽しむためには、健康状態の確認、十分な水分補給、適切な入浴時間、そして自身の体の声に耳を澄ますことが重要です。
無理せず、自分のペースでサウナと向き合い、心身ともにリフレッシュしましょう。
サウナは、適切な利用によって健康増進に役立ちますが、自身の健康状態を常に意識し、安全な利用を心がけることが大切です。
快適なサウナライフを送るために、これらの点をしっかりと理解し、実践していきましょう。

